結晶が塩か蛋白質かを見分ける
100512 S. Fushinobu
塩の結晶は外見からは蛋白質の結晶と見分けにくいです。塩の結晶だって偏光がある場合もありますし。
- X線を当てる
- 針でつぶす
- 判定法:塩の場合固い。パチッと音がするほどの手応えがある。蛋白質の場合はフニャフニャと崩れる
- 利点:ほぼ確実に分かる、簡単
- 欠点:破壊的、自分の手の感覚にしか結果が残らない
- Dyeで染める
- Hampton ResearchからIzitという名前の試薬が売られている。安い試薬だが、メチレンブルーの水溶液なので自分でも作れる(作り方は"Prosil and Izit"とか"alternative to IZIT"とかで検索すればccp4bbのアーカイブがヒットする)
- 判定法:結晶のあるドロップにちょぴっと(0.5〜1 μl程度)入れる。しばらく待つ。蛋白質だと青く染まるが塩だと染まらない。
- 利点:簡単、他の人に結果を見せることができる
- 欠点:あまりはっきり判定が出ない、時間がかかる、破壊的
- Melt test
- 判定法:ハンギングドロップにつかうカバーグラスの上に結晶を乗せ、ブンゼンバーナーの炎の上を数回くぐらせるだけ。塩の場合は形が残るが、蛋白質の場合はぐじゃぐじゃになる。
- 利点:簡単、dyeで染めた後にもできる
- 欠点:顕微鏡のそばにバーナーが要る、破壊的
- Raghunathan et al., Acta Cryst. F66 (5), 615-620 (2010) [doi] [Wiley]
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