Reindexのやり方
2007.6.18 S. Fushinobu
反射のreindexが必要なケースはいくつかありますが、よくあるのは、以下のような場合でしょう。
- Hexagonal (trigonal) の空間群で(h, k, l) -> (k, h, -l)として指数付けの向きがc*軸向きに反対向きになっている。これがinconsistentだと、scalingした場合にR因子が45%くらいになってしまうので気づく(千田先生のマニュアルにも書かれている)分子置換で解く時には大抵は不要ですが、MIRやMADの場合にはreindexが必要になる場合がある。例えば3波長でMADをかけていると、1波長だけ裏返しになっていたりするので(solveを使っている場合にはsolve.prtの中をじっくり眺めること)、これだけreindexすればよい。
- Orthorhombicな空間群(特にP 21 21 2とP 2 2 21)で、a, b, c軸の順番を変える。軸の取り方は基本的に小さいものから大きいものへ、だが、これら2種類の空間群は、2回らせん軸が他と違うものをc軸に取るようになっているので、最初のデータ測定で軸上の反射を取りきれていない場合、後でらせん軸が全て分かった時にreindexが必要となることがある。hkl→lhkやhkl→klhのようにpermutationをするように変換して、手系を裏返しにしないように。
- R 3 / R 3 2から H 3 / H 3 2への変換。
- 経験したことはないが、P23, I23, F23などのcubicなセルで(h, k, l) -> (k, -h, l)とする場合もあるらしい?
ここでは、HKL2000のscaを、ccp4 (6.0.2)を使って(mtzを経由して)変換する方法を紹介します。
- Data Reduction→Import Merged DataでScalepackからmtzへ変換。"Keep the input intensities in the output MTZ file"のチェックを必ず入れる。Anomalousを使っている場合には"Use anomalous data"をチェックすることを忘れない。"Run truncate ..."はこの場合は不要。
- Reflection Data Utilities→Reindex Reflectionsでさっき作ったmtzファイルをreindexする。"Choosing a standard transformation"を使えば一般的な変換マトリックスが出て来る。
- Reflection Data Utilities→Convert from MTZで、SCALEPACKフォーマットへ再変換。必要なのはI(+), SIGI(+), I(-), SIGI(-)。出力ファイルの拡張子はデフォルトでは.hklになるがここで.scaにしておくとよい。
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