Density modificationについて
- はじめに 近年、solvent flattening, histogram matching, averaging等のdensity
modification が、盛んに蛋白質のX線結晶構造解析に用いられるようになってきました。一般にこれらは、「電子密度図を改良し、解釈できるものとする」と言うように理解されていますが、果たして本当にそんなに上手く行くのでしょうか?もしそれが本当ならば、もう少し構造解析が楽になってもいいのではないでしょうか?(もちろん、もうすでに十分楽だと言う気もするけど)色々と便利なプログラムが次から次へと出てきますが、やはり重原子同型置換体を作る事が最も重要です。もちろんdensity
modification の威力は認めるし、当研究室でもその恩恵にも若干預かってはいます。しかし、忘れてはいけないことは、いくらdennsity
modificationの威力が絶大でも、density modificationがdensityのmodificationである限り、初期位相、つまり重原子同型置換体の存在が大前提になっているということです。そこでここでは、実例を交えつつ、density
modificationの限界と有効性につて述べます。なお、ここで言うところのdensity
modificationは、solvent flatteningとhistogram matchingのみで、averagingにはふれません。
- Solvent flatteningとhistogram matching
- Density modificationの実際 : 分子の外形の決定
- 解釈可能な電子密度図が得られるのか?
- より良い初期位相を得るために では、どのようにして良い初期位相を得ればよいのでしょうか?簡単です。実験することです。じゃんじゃん実験しましょう。では、重原子同型置換体の作り方の項へGO!