HKL2000簡易マニュアル
2003.2.2 @ BL40B2
SFのド汚い手書き原稿の解読と清書 by Y. N.
2003.11.6 2004.12.16 少し改訂 by SF
非公式マニュアルなので悪しからず。御意見お待ちしております(伏信)
注:アンダーラインはボタンを表す。
- まずは、適当な角度(ex. 1°振り)で3枚程度取る
- PFのUGUIだと、oscillation width を1.0にして、angleを0, 1, 2と入力。
- 1枚でも、Indexの時に3D
Windowの値を1にすればとりあえずindexは可能
- >mkdir pro >cd pro
Setup
- >HKL2000 で立ち上がる
- ビームラインを選んで → OK
- Directory Tree のproを選んでOutput Data Dir
">>"
- Directory Tree の1つ下を選んでRaw Data Dir
">>"
- Setup Data Files → 目的のSetをSelect → Add Set
- Select →クリック→赤くなる Edit Set->Total No of frames(?)
にセットのtotalの数を入れる
- Rotation axis → PHI
□(ビームラインによって違う。通常はデフォルトで大丈夫)
Index
- 上にIndex/Refinement/Integration タブがあるのでIndexタブを選択。
- Display → xdispたちあがる
- 自動でピークサーチしてくれる。Minorの絵が一瞬出て、ピークが拾われる。
- 自分でピークの数を変えたい場合は、xdispからPeak Sear → 点出る → Found *** → (少ない場合にはMore Peaks) → OK
- Index → 表が出てくる 緑色(1%以下)で1番上のcellを選んでOK
- xdispのウィンドウでZoom wind → 真ん中ボタンでZoom windowの中心を変えられる Zoom in x2-3→ Int box x1 → ◎とBOX出る
- HKL2000に戻り、Refine クリック → Fit All をクリックして、Refinement Options を全部赤にして
- もう一度 Refine →右上Refnement Information の Positional X-χ2とY-χ2が緑になればOK。黄色の場合でもまぁ大抵は大丈夫。赤色の場合には要注意or何か変。ちゃんと反射がprediction(黄色/緑色/赤色の1重丸)と同じ位置にあることを確認。
- このとき、Mosaicityが変に大きくなる(1以上)場合は、実際にモザイクが悪い(反射が乱れている場合が多い)か、3枚取ったデータのうち2,3枚目のstarting omegaが変になっている。Snapshotを取る時に先行入力してしまっていると後者のようになる時がある。
- xdisp の Zoom window の中のこれを(できれば)低角の一番大きな反射が入るように合わせるが、overlapがひどくなるので大きくしすぎないようにする。中程度の分解能の反射の大半が入るサイズにする必要はある。
- Spot size, Background size, Box sizeを変えて1回だけRefineすればよい。
- 目で見て反射が分離しているのに、(Background sizeの円がとなりと重なっていないのに)、predictionが赤くなって、次第に消えていく(拾わない→rejectされている)場合には、Rejection Criteriaをいじると拾ってくれる場合がある(新しめのHKL2000にはボタンがあるはず)。マニュアルにはReject Fraction(デフォルトでは75% = 0.75)を1-2%づつ上げろ、と書いてあるが、私の場合には大幅に(60%あたりまで)下げると拾ってくれるようになった。
Strategy
- Strategy/Simulation タブ → New Strategy
をクリック →
- Simulate Run →
Overlapが5〜10%を超えなければよい(超えるときは、Spot
Sizeと振り角を小さくする。下げすぎに注意。分解能(カメラ長)をよくばり過ぎてもoverlapは増える。)
Integrate/Scaling
- Integrate Sets (データが届くのを追っかけて処理していく)
→ 終わるとScalingタブ
- 右端のボタンから正しいSpace Group を選ぶ
- Global Refinement は、とりあえずデフォルトで(ex. Non-Slipping
Crystal,Imperfect Gonostat)
- "Macros"→During Scalingに"sigma cutoff 0"と入力(defaultは-3)→Add Macroとしてからscalingすると、I<0の反射が除かれるので、completenessは下がるが、Rmergeが良くなり、最終的なR-factorも良くなることが多い。(ただしmerge前にI<0の反射を除くと弱い反射が統計的に高く見積もられるのでよくないという意見も。マニュアルにもsigma cutoffは-3にするのがよい、と書いてあったような。。)
- アノマラス取る場合は、対称性が高い空間群ならScale Anomolousを、低いときはAnomolousをチェック
- Scale Sets → 終わるとDone → Show Log File →
Viでlog file が出てくる("G(大文字)"を入力 → ファイルの最後
に行く。上下キーでスクロール、"q"で終了)
- 2回目のスケーリング前に、"Use Rejections On Next
Run"をチェックすれば、rejectionしてくれるので統計値がよくなる。
- Normal Chi*2のoverallが0.9〜1.1になるように、Error Scale
Factor を入れなおして、もう一度 Scale Sets
- (Lowest resolution shellでのLinear R-factor(ex.
0.045)をAdjust Error Model →
の全部のbin(shell)に入力することも必要かもしれない)
- 分解能の決定:Resolution Maxを入れてscaleをやり直す
- I/sigmaが当てにならないので、基本的には反射イメージを頼りにして判断する。と、書いていたが、今はI/sigを頼りにしまくっています。。ちなみに、ここのI/sigは、後ろに書いているように、log fileの一番後ろのTableのAverage IをAverage errorで割った値。
- または、Highest resolution shellでのLinear
R-factorが0.25〜0.40程度になるように切る?→ccp4bbでも議論噴出、統一した見解は得られていないようです。最近は、「この値はあんまり気にすんな。それよりI/sigだろ。」って人が多いみたい。でもあんまり大きくなるとイヤだなぁ。さすがに1超すのはないわ。
- D.M. Blow, Acta Cryst. (2002). D58, 792-797
- Minimal acceptable completeness (%) = 100 /
impact factor of the journal (Gerard J. "dvd" Kleywegt, 2006
:-)
- 最後に、Report を押すと、HTMLで統計値を保存できる。←やっておくと便利
追記 (2013.6.25)
"Table 1"作ったりPDBに登録したりする時にいつも分からなくなるのでメモ。間違いとかあったら連絡下さい(伏信)。
- For "Table 1"
- Space groupとUnit cellはoutput.scaに書いてある。その他は全てscale.log。基本的に、一番後ろの方のtableを参考にする。
- Total reflections (observed: uniqueじゃないやつ): All filmsで検索する。2ヶ所あるけどおそらく後ろの方。Biokidsでは、直後の数字(# obs)ではなく、その次(# obs >1)の数字を使う、とある(Thanks Biokids!)。でも、#obs >= 1ではないので、もしかしたら# obsの方かも(ひ◯た師匠に確認中)。
- Resolution (Å): デフォルトだとlowest resolutionは50.0 Å。Highest resolution shellの値はtableのresolution binを参考に。
- Unique reflections: 後ろの方の"Summary of observation redundancies by shells:"のtableの右下の数字。
- Copleteness: 後ろの方の"Summary of observation redundancies:"の右下の数字(97.5%)。左端の方にあるNo. of observationsが0回の反射(2.5%)と合わせれば100%になるのが分かる。
Shell Summary of observation redundancies:
Lower Upper % of reflections with given No. of observations
limit limit 0 1 2 3 4 5-6 7-8 9-12 13-19 >19 total
50.00 5.16 12.2 5.3 6.3 8.0 12.1 19.5 36.6 0.0 0.0 0.0 87.8
(中略)
1.93 1.90 0.5 2.5 4.9 6.1 7.7 17.9 60.3 0.1 0.0 0.0 99.5
All hkl 2.5 1.9 3.4 5.1 8.6 20.1 58.3 0.1 0.0 0.0 97.5
- Redundancy: "Redundancy"で検索。2ヶ所あるが、普通は後ろの方の値を使う。ただし、anomalous dispersionを使ってBijvoet(バイフット)対を別々にsca fileに書きだした場合(SAD, MAD, MIRAS, SIRASなど)には、前の方の半分の値を使う。上記のUnique reflectionsの数にこの数字をかければ、Total reflectionsの数になるはず。
- Mean I/sigma (I): 一番後ろのTableのAverage IをAverage errorで割れば出る。
- RsymまたはRmerge:一番後ろのTableの右から2番目のLinear R-fac。ちなみに、定義からいくと、一つの結晶から取ったデータはRmergeではなくRsymと呼ぶのが正しい気がするが、みなさん使い分けは気にしていないようです(私も。。。)。
- For PDB deposition
- Observed criterion sigma(F)とObserved criterion sigma(I): HKL2000のデフォルトではIで-3のsigma cutoffを行なっているはずなので、Fの方は入力せず、Iに-3と入れるのが正しいはず。
- Resolution (high)とResolution (low): highとlowを間違えないように。
- Number unique reflections (all)とNumber unique reflections (observed): Observedは後ろの方の"Summary of observation redundancies by shells:"の右下の数字(上のUnique reflectionsと同じ値)、allはそれを左はしのNo. of observationsがゼロの反射の数と足したもの。下の表だと、allは2526 + 98486 = 101012。Observedをcompletenessで割ればほぼallと同じ値になるはず(98486 ÷ 0.975 = 101011)。
Shell Summary of observation redundancies by shells:
Lower Upper No. of reflections with given No. of observations
limit limit 0 1 2 3 4 5-6 7-8 9-12 13-19 >19 total
50.00 5.16 658 284 343 432 656 1053 1978 1 0 0 4747
(中略)
1.93 1.90 25 122 244 304 383 885 2986 6 0 0 4930
All hkl 2526 1930 3448 5179 8695 20264 58904 66 0 0 98486
- R-merge I (observed)またはR-sym I (observed)、Net I over average sigma(I)、Redundancyは上記と同様。
- B(isotropic) from Wilson plotは、ccp4iでctruncate (Import Merged Data)して出てくる値(Logに書いてある)を使ってます。
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