その他

S. Fushinobu

その他、いろいろとメモ。

SolveでSe-MADなどをやるとき、重原子(異常分散原子)サイトの数が多かったりデータの精度が悪いと、なかなかサイトを見つけてくれない。そんなとき、他の方法(分子置換やSIRなど)で(いいかげんでもいいから)初期位相が決まっていれば、その情報を使ってサイトを探してくれます。(差パターソンではなく差フーリエで探すので見つかりやすい)

やり方は簡単。scale_mad, analyze_mad, solveの前に、以下の2行のようにmtzファイルと、その中のLABIN(Fと位相とFOM)を指定すればよい。分子置換の場合には、正解と思われるPDBファイルに対して、数サイクル(適当に)refmac5をかければ位相/FOMがmtzファイルの中に書き込まれる。

PHASES_LABIN FC=FC PHIC=PHIC FOM=FOM
PHASES_MTZ ../ccp4i/molrep_refmac1.mtz


R3/R32の空間群の反射をHKL2000 (Denzo/Scalepack)からccp4iに持ってきてImportScaledするときに、
LWSYMM: severe warning - specified symmetry not consisten with cell dimensions!
と出て失敗する
→ccp4iでimportするときに空間群をH3/H32にする。Reindexのプログラムでも可能。R(rhombohedral)なセル(a=b=c, alpha=beta=gamma)は軸の取り方を変えればH(Hexagonal)のセル(a=b, alpha=beta=90 deg, gamma = 120 deg)で取れるので、HKL2000は後者で処理している。


Linuxの日本語版を使っているとき(私はFedora Core 4を使っています)、ccp4が強制終了した後に立ち上がらない場合があります。言語を日本語にしている場合にはunable to convert date-time string "07 11月 2006 08:36:48"などと出てコケるので、英語にしておくのが無難(言語はログイン画面で変更できる)。


ハンギングドロップを作るときに同時に複数のドロップを作ると、再現性の悪い結晶を仕込む時などに便利。下の写真は我がラボのS.I.氏の作った芸術的な7つのドロップ。


VMの範囲は通常1.7〜3.5 Å/Da (B. W. Matthews: J. Mol. Biol. 33, 491-497, 1968)

Vsolvent = 1 - 1.23/VM

最近は、もっと多くのデータから見積もった結果が論文になってます(K. A. Kantardjieff and B. Rupp: Protein Sci. 12, 1865-1871, 2003)。


波長、検出器(flat)のサイズ、カメラ長から、最大分解能を計算する式。

dmax=lambda/(2 x sin( tan-1(D/L) / 2 ))
lambda: wavelength, D: 1/2 Detector size (beam center to edge) (mm), L:camera length (mm)


波長とエネルギーの式

E(ev) = 12398.5 / lambda (Å)


IRIXの上で、CCP4iでmolrepをかけたら、ガチョーン!と音がして"process or stack limit exceeded"みたいなエラーメッセージを出して止まってしまった。Logfileを見たら、どうやらsegmentation faultらしい。
解決法:ccp4iを立ち上げる前のシェルで、
unlimit
と入力する。その他、メモリを多く消費するプロセスが同様のエラーを止まってしまった時に効果有りかと。


resolveでphase extensionをする法。solveのメーリングリストより。

At 12:47 PM 1/26/2002 +0800, you wrote:
>I was wondering if there is anyway I could use solve or resolve to do phase
>extension of a MAD dataset with a good native dataset?
>Thanks
>
>Tommy
 
Hi Tommy,
 
Yes you can.  Use the ccp4 suite to construct a file from "solve.mtz" that 
contains the native Fnative  along with the PHIB and FOM and HLA HLB HLC 
HLD from SOLVE.   Use this file as in put to RESOLVE and specify
labin FP=Fnative PHIB=PHIB FOM=FOM HLA=HLA HLB=HLB HLC=HLC HLD=HLD
RESOLVE should then carry out density modification in the usual way, 
followed by phase extension to the limit of the native data.
 
Good luck!
-Tom

 


 RedHat Enterprize Linux WSに入っているコンパイラ(g77)でCNSをコンパイルすると、water_pick.inp『だけ』がerrorを出して動かなくなる。その他のminimize.inpなどは問題なく動く。他社のコンパイラなどを取ってきてコンパイルしなおすか、f2cなどを使ってC++のソースに変換してからコンパイルする必要がある。RedHat Linux 9の場合は特に問題ない。


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