Rで不可逆阻害のフィッティング

190119 S. Fushinobu (201118追記)

不可逆的阻害剤(irreversible inhibitor)による酵素の阻害実験のデータを、Rのnls(Nonlinear Least Squares)コマンドを使って非線形回帰分析フィッティングするやり方を解説します。


エラーが出てしまう? データが不可逆的阻害剤の一般的な式に乗るものではないのかも知れません。
このサンプルのように、1つめのカラムを反応時間(time)、2つめ以降のカラムを各阻害剤濃度の残存活性(%)にして(タイトル行は阻害剤濃度にする)、このスクリプトにかけてみてください。


この場合は、kobsに飽和が見られない阻害剤濃度範囲のデータだったことがわかりますね。阻害剤濃度を上げても飽和が見られない場合には、Kiが測定できないほど大きい、ということだと思います。右のプロットの直線へのfitからkinact/Kiは計算できるので図に出すようにしておきました。

Reference 1: Analyzing Enzyme Kinetic Data Using the Powerful Statistical Capabilities of R
Carly Huitema, Geoff P Horsman
doi: https://doi.org/10.1101/316588

Reference 2: A Perspective on the Kinetics of Covalent and Irreversible Inhibition
John M. Strelow
doi: https://doi.org/10.1177/1087057116671509