ビフィズス菌の母乳オリゴ糖代謝酵素の基質結合における構造変化

この酵素(略称:GLNBP)はヒトの母乳に多く含まれるオリゴ糖の成分であるラクトNビオース(Gal-GlcNAc)という2糖を、リン酸(Pi)を使って切断し、ガラクトース1リン酸(Gal-P)とN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)に分解します。本酵素に2つの基質(ラクト-N-ビオースとリン酸)が結合するに従って、開いた構造(Open)から、やや閉じた構造(Semiclosed)を経て、閉じた構造(Closed)へと動くと考えられます。私達が決定したこの3状態をつなげたムービーを以下に表示します。

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青色で示したTIMバレルと呼ばれる樽のような形をした部分が、基質(赤と紫の棒で示しています)が結合するのに従って、大きく形を歪めているのが特徴的です。

本研究に関する説明は当研究科のプレスリリースをご覧下さい。

ビフィズス菌が持つユニークなヒト母乳のオリゴ糖代謝経路の詳細に関しては、以下の総説(英語)をご覧ください。

Unique Sugar Metabolic Pathways of Bifidobacteria
S. Fushinobu
Biosci. Biotechnol. Biochem. 74 (12), 2374-2384 (2010)

M. Hidaka, T. Wakagi, H. Shoun, and S. Fushinobu